バリ島移住物語

バリ島で働きながら生活する事を夢見る3~40代の男性に、移住歴10年の筆者とりいが紹介するバリ島移住ノウハウブログ

バリ島移住生活、宗教との接し方はどうすべきか?

バリ島の宗教バリヒンドゥーとの接し方

バリ島の宗教は、インドから伝来したヒンドゥー教や仏教と土着宗教が融合してできたバリ島独特のバリヒンドゥー教です。
島民の90%がこのヒンドゥー教の信徒であり、生活文化の基盤となっています。

私たち日本人にとって、宗教への対応はちょっと戸惑ってしまう事があるかもしれません。
しかし、宗教が日常生活に深くしみ込んでいるインドネシア・バリ島で移住生活を送るには、好むと好まざるとにかかわらず、宗教と何らかの形で接しなくてはいけないと思います。
今回は、バリ島移住生活における宗教との接し方について、私の考えを説明したいと思います。

宗教の話は、かなりセンシティブな話題ですが、自分なりの考えをお話しします。どうぞ最後までお付き合いください。

<目次>


インドネシアでは何らかの宗教を信仰しているのが常識

日本では、自分の宗教は何とか、自分はこんな宗教を信仰しているといった話はあまりしません。
逆に、宗教の話をすると、引かれてしまうかと思います。

しかし、バリ島のあるインドネシアでは、各自が信仰する宗教があるのは当然という考え方です。

それを如実に表しているのが、パンチャシラと言われるインドネシア憲法の前文にある建国5原則です。
パンチャシラの第1項目は「唯一神への信仰」です。
つまり、インドネシア国民なら、神への信仰を持ちましょうと言っています。
そのため、何らかの宗教(神様)を信仰しているというのは、至って普通の事なのです。

公的な申請書には、氏名、住所、出身地、生年月日など各項目の中にAgama(宗教)という欄があります。
それほど、信仰というのは日常事というのがインドネシアでの考え方です。

ちなみに、信仰するのは「唯一神」であって、特定の神様・宗教ではありません。
イスラム教でも、ヒンドゥー教でも仏教でもキリスト教でも唯一神であれば、どの神様を信仰してもいいのです。
確かに、インドネシアの国民の80%がイスラム教徒で世界で一番イスラム教徒が多い国ですが、決してインドネシアはイスラム教の国ではないのです。

書類に宗教の項目があると、日本人は何と書いていいのか戸惑ってしまいます。
もちろん、信仰する宗教があるのでしたらそれを書けばいいのですが、何を書いていいのかわからないとか、これと言って宗教にこだわりはないというのでしたら「Buddah(仏教)」と記載しておけばいいでしょう。

バリ島で独自に発達したバリヒンドゥー教とは

バリ島独自の宗教と呼ばれるバリ・ヒンドゥー教は、インドから伝来したヒンドゥー教や仏教と土着の信仰が融合してできた独自の宗教です。
実は、昔はジャワ島などインドネシアの多くの島でもヒンドゥー教や仏教は信仰されてきたのです。
しかし、マレーシアを通じて入ってきたイスラム教勢力に押され、ヒンドゥー教は現在バリ島とその周辺にしか残っていません。

このバリヒンドゥー教は「儀礼と供物の宗教」と言われるほど、儀礼(神事)が多く、毎日のように供物をささげているのが特徴です。
人々は、家庭やお店などの多くの場所にチャナンやサイバンと言われる小さな供物と祈りを捧げます。
そして、祭日や寺院の縁起日、人の成長過程における節目など特別な日には多くの供物を使った儀礼を執り行います。
儀礼と供物のために毎日を過ごしていると言っても言い過ぎではないのがバリ島の人々の暮らしでもあるのです。

ところで、先ほどインドネシアのパンチャシラの第1項目は「唯一神の信仰」であると説明しました。
宗教に詳しい方なら「ヒンドゥー教は唯一神ではないのでは?」と思われたかもしれません。
その通り、ヒンドゥー教はシヴァ、ヴィシュヌ、プラフマーといった3大神をはじめ多くの神々がいる宗教です。

実は、パンチャシラが発表されたとき、多神教であるバリヒンドゥーの人たちは、このままでは自分たちの宗教は国に認めてもらえないのでないか?と考えました。
そして、考え出されたのが「サンヒャン・ウィディ」という最高神であり、シヴァなど多くの神々はこのサンヒャン・ウィディの化身であると位置づけたのです。
つまり、バリヒンドゥー教はサンヒャン・ウィディという最高神を信仰する宗教であるとすることにより、「唯一神の信仰」という項目に適応させたのです。

移住生活でのバリ島の宗教との接し方

全ての国民が何らかの宗教を信仰しているインドネシア、そしてそのかなでも独自の宗教バリヒンドゥー教の島バリ島に移住する私たちは、いったいどのように宗教と接していけばいいのでしょうか?

私が考える結論は「無理をしない範囲で儀礼や宗教行事に参加してみよう」という事です。

バリ島の人たちは外国人が自分たちの宗教を理解し、参加してくれることを大変喜びます。
マナーやしきたりさえ守れば外国人がヒンドゥー教の儀礼に参加することを歓迎してくれます。

バリ人の家に下宿をしたりすると、儀礼や神事を目のあたりにすることがあると思います。
もし、それらに興味があり宗教的な問題がないとしたなら、ぜひ積極的に参加してみることをおススメします。
同じ釜の飯を食う、というわけではありませんが、バリの人たちの宗教行事に参加したことで、バリ島というのがぐっと身近に感じることができると思います。

もちろん、あなたがヒンドゥー教以外の宗教を信仰し、他の宗教行事に参加することに抵抗があるのでしたら、無理して参加する必要はありません。
宗教というのは、誰かに言われて強制されるものではないと私は思っています。

とりあえずはニュピ、ガルンガンに参加してみよう

小さいものまで含めると、ほぼ毎日何らかの儀礼があるバリヒンドゥー教ですが、いきなりそれらすべてに参加するなんてことは無理です。
そこで、まずおススメするのは、ニュピとガルンガンへの参加です。

ニュピ

ニュピとは静寂の日とも言われる一日で、この日は灯火の使用、外出、労働、殺生が禁止されます。
この禁止事項はヒンドゥー教徒だけではなく、バリ島に滞在するすべての人たちに適応され、外国人観光客も例外ではありません。

一日ホテルや自宅に軟禁状態になり外出もできず、灯火も必要最低限に制限されます。
一日何もすることができず、退屈と思われるかもしれませんが、日常とはかけ離れた環境でゆっくりと瞑想をするのもいいかと思います。
また、夜は光がないので満点の星空を眺めることができます。

ニュピの日はつまらないからと島外に脱出する外国人もいますが、1回くらいはニュピの日を味わってみましょう。

ガルンガン

ガルンガンはバリヒンドゥー教の中でも重要な神事の一つです。
この日、天上界の神様や祖先霊が地上に降り立つと言われ、朝から寺院や家寺などにお祈りに出かけます。
街に出稼ぎに行っている人は田舎に戻り、実家のお寺などに参拝することからお盆のような日とも言われています。

ガルンガンの日はニュピのように外出禁止といった制限はありません。
しかし、もし機会があればバリの方とお寺のお参りに同行されることをおススメします。
お参りをするには、伝統的な民族衣装を着なくてはいけませんし、お祈りの作法もありますので、必ずバリ人と一緒に参拝するようにしてください。

ぜひとも、一度体験する事をおススメします。


まとめ

インドネシアは建国5原則(パンチャシラ)にも書かれているように、神への信仰が当たり前となっている国なので、好むと好まざるとにかかわらず、宗教が身近にある事を理解して頂きたいと思います。

インドネシアの国民の80%はイスラム教徒ですが、バリ島の島民の大半はバリ島独自のバリヒンドゥー教を信仰しています。
このバリヒンドゥー教は「儀礼と供物の宗教」とも言われるほど、多くの儀礼がありまたその儀礼には大量の供物を使います。

このような宗教環境の中、バリ島で移住生活を送るとしたら、無理のない範囲でバリヒンドゥーの儀礼に参加する事をおススメします。
参加することにより、より深くバリ島とその人たちを理解することができ、移住生活も有意義になると思います。

まずは、ニュピとガルンガンの神事に参加してみられるといいでしょう。