バリ島に移住したら、現地の宗教を信仰しなくてはいけないのか?
別の宗教を信仰しているが、バリ島に住んでもいいのか?
バリ島の方と結婚する予定だが、やっぱり改宗しなくてはいけないのですか?
バリ島は、独自の宗教・バリヒンドゥー教が生活の中に深く根差しています。
また、インドネシアの人は必ず何らかの宗教を信仰しています。
そのような中で、移住した外国人はどのように現地の宗教と付き合えばいいのでしょうか?
結論から言うと
現地の宗教を尊重し、邪魔をしないのであれば、宗教に関しては自由にしていて構わない
という事です
私は、2008年からずっと、バリ島ウブドに暮らしています。
周囲には、バリヒンドゥー教はもちろん、イスラム教、キリスト教の友人も沢山います。
また、バリ島の方と結婚した日本人もたくさん見てきました。
そんな私が、移住者とバリ島の宗教について次のような事をお話ししたいと思います。
- バリ島に住む外国人に対して、地元宗教はどう接してくるのか?
- 地元宗教に対して外国人はどう接すればいいのか?
- 地元の方と結婚すると、宗教はどうなるのか?
宗教は生活文化の基本となっています。
正しく宗教との関係を理解することは、バリ島での生活に十分役立ちます。
ですので、今回の記事を読んで、バリ島における外国人と地元宗教の関係を正しく理解してください。
本文の最終章に、バリ島の宗教について簡単な解説があります。
バリ島の宗教について知りたい方は、まずそちらから読まれることをおススメします。
また、YouTube動画でも解説していますので、こちらも参考にしてください。
地元宗教の外国人への対応
- 外国人の宗教・文化を尊重する
- 自分たちの宗教文化を理解してくれることを喜ぶ
- 宗教行事への参加要請や強制はない
バリ島では、外国人に対して自分たちの宗教を押し付けてくることはありません。
バリ島において、他人の宗教に関する干渉はほとんど無いと言ってもいいでしょう。
改宗を迫ったり、異教徒に対しての排斥や攻撃的な行動は無いと言えます。
私も、お寺でのお祈りや宗教行事に誘われたことはあります。
ただし、それによって改宗を迫られたり、無理強いをされたことは一度もありません。
時々、バリ島内でヒンドゥー教徒とイスラム教徒の対立が見受けられます。
ただし、これは宗教的ないさかいというより、地域的ないさかいだと思います。
中には、過激的な思想、考えを持つ人もいるかもしれません。
しかし、ほとんどの方は他人の宗教に対して寛容と言えます。
もちろん、自分たちの宗教文化は大切にしています。
その大切なものに対し、無礼な行動をしたり、反抗的な行動をすれば、排除や対抗措置を取るのは当然。
逆に、自分たちの宗教文化を理解し、友好的に施してくれることを大変喜びます。
宗教行事に参加したいと言えば、喜んで連れて行ってくれます。
このような他宗教に対しての寛大さは、多民族・他宗教国家であるインドネシアの文化と感じます。
また、古くから外国人が多く訪れるバリ島だから、なおさらなのでしょう。

トリイ
地元宗教に対しての接し方
バリ島は神々の棲む島とも言われるほど生活の中に宗教が深く根差しています。
こんなバリ島で生活すると、好むと好まざるとにかかわらず、宗教に接しなくてはいけません。
では、私たち外国人はどのように地元宗教に接していかなくてはいけないのでしょうか?
- 地元の宗教文化を尊重する
- 宗教に対する偏見や差別意識を持たない
- 興味があるなら宗教行事に参加しよう
日本人は宗教アレルギーと言われるほど、宗教に対して嫌悪感を持つ人もいます。
しかし、バリ島では宗教は生活に根差した大切なもので、何よりも宗教行事を大切にしています。
そんなバリ島に住むのでしたら、地元の人が大切にしている宗教を尊重するべきでしょう。
例えば、バリ島の方は宗教第一で動くことがあります。
お祭りの行列が通るために、道路閉鎖となり渋滞が発生する。
家のお祭りがあるから仕事を休む。
ニュピという宗教行事の日は丸一日外出禁止になる。
こんな時、不満や苦情を言わず、しょうがないと受け入れてください。
また、宗教に対する偏見や差別意識は持たないようにしましょう。
バリ島には、ヒンドゥー教徒以外にもイスラム教徒も沢山います。
イスラム教はインドネシアの中で最大勢力です。
イスラム教というと、テロと直結して考える方もいますが、これは間違いです。
確かに、中には過激思想の人もいるでしょう。
しかしそれはレアケースであり、ほとんどの方は、平和を愛する友好的な方ばかりです。
イスラム教もヒンドゥー教もキリスト教も、宗教はそれを信仰する人にとって大切なものです。
もし、機会があればぜひバリ島の宗教行事に参加してみてください。
バリ島の文化についてより深く知ることができるでしょう。

トリイ
バリ島の人と結婚すると宗教は?
バリ島に住む外国人に対し、地元宗教は強制や勧誘はしません。
しかし、バリ島の方と結婚すると、事情は変わってきます。
- 原則、夫婦は同じ宗教を信仰する
- 結婚したら宗教行事への参加も必須
- 特に女性は大変
バリ島に限らず、インドネシアでは夫婦は一体という感覚があります。
その為、結婚した夫婦は同じ宗教を信仰するのが当然という考え方があります。
また、男尊女卑の傾向が強いため、男性の宗教になるというのが一般的です。
その為、バリ島の男性と結婚した女性は、ほとんどの方がバリヒンドゥー教に改宗します。
もちろん、信仰の自由は法律で保障されていますので、絶対に同じ宗教にならなくてはいけないといった事はありません。
事実、白人女性の中には、バリ人男性と結婚しても改宗しない人もいます。
ただ、そうなるといろいろ苦労があるようですね。
結婚してヒンドゥー教に改宗したら、宗教行事への参加は当然となります。
特に女性の場合は、毎日のお供え物作りやお祈りから始まり、いろいろな宗教行事の参加や手伝いをさせられます。
慣れない宗教行事を一生懸命されている日本人女性を見ると、本当に大変だなぁと感じます。
男性の場合も、結婚してヒンドゥー教になったら、宗教行事やその準備に駆り出されます。
ただ、何も知らない外国人が手伝うとなると、逆に足手まといなので、金銭の負担で済ますことが多いようです。

トリイ
バリ島の宗教とは
それでは、最後に簡単にバリ島の宗教について説明します。
- バリ島は、バリヒンドゥー教という独自の宗教を信仰している人がほとんど
- バリヒンドゥー教はインドのヒンドゥー教と土着宗教が融合したもの
- 他にもイスラム教、キリスト教、仏教、儒教を信仰している人もいる
バリ島の宗教は、インドのヒンドゥー教と昔からあった祖先霊信仰などが融合してできた独自のバリヒンドゥー教。
島民のほとんどの人がこの宗教を信仰しています。
このバリヒンドゥー教は、儀礼と供物の宗教と言われるくらい、お祭りとお供え物が多い宗教。
その為、お祭りとお供え物のために働くと言っていいほど、生活の中心になっています。
バリ島にはバリヒンドゥー教以外の宗教を信仰している人もいます。
一番多いのは、イスラム教。
インドネシア国民の80%近くが信仰していますから、バリ島にイスラム教徒いても不思議ではありませんね。
他にも、仏教徒、クリスチャン、プロテシタント、儒教と多くの宗教の信仰者がバリ島にはいます。
そして、各々がお互いの宗教を尊重して暮らしています。
インドネシアはこのように多民族、多宗教国家ですから、外国人の宗教についても寛大なんですね。
ということで、今回はバリ島の宗教への接し方について解説しました。
日本人は宗教アレルギー、無宗教と言われますが、せっかく神々の島バリ島に住むんですから、宗教についていろいろ考えてみるのもいいかもしれません。
宗教は文化生活の基本とあっているところが大きいのですからね。