
この記事はオンラインショップの決済でよく使われるPayPalを使い、海外送金が可能かどうかを検討した記事です。
ECサイトなどでよく疲れているPayPalの口座間移動なら手数料もかからないし手続きも簡単だから海外送金に使えるのではないか?
このようなご意見をいただきましたが、PayPalでの海外送金は現在できません。
その理由は、日本国内の金融法によって禁止されているからです。
以前は可能だったので、Paypalを使って生活費などを海外に送金された方もいましたが、金融法が変更になりいまはできなくなったんです。
この記事では、なぜPaypalを使って海外送金ができないのか、その理由とPayPalの決済システムについて解説します。
この記事を読んでいただければ、Paypalについての理解が深まります。
決済方法としてのPayPalはかなり便利ですので、海外で日本向けのECサイトを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
Paypalで海外送金ができない理由
Paypalとは?
Paypalは本社を米国に置く電子決済システムで、世界で3億人以上の方が利用しているそうです。
クレジットカードやデビットカード、銀行口座をPaypalアカウントに登録しておけば、決済のたびにカード番号や口座番号などを打ち込む必要はなく、大変便利。
また、カード、口座情報はすべてPaypalにて管理し、支払先には公開しないので、安全、安心なシステムです。
Paypalの本拠地アメリカでは、取引の決済以外にも送金などにも利用されています。
そのため、当初は日本でも口座間送金に利用できていましたが、現在は決済のみの利用となっています。
なぜ日本では送金に使えないか
日本において、Paypalは電子決済業者としての認可は受けていますが、資金を送金する送金業者としての認可は受けておりません。
そのため、カードや口座決済には利用できますが、送金に使う事はできません。
Paypalの仕組み
Paypalは決済システムですが、銀行ではないので直接現金を利用者に支払う事はできません。
そのため、以下の図のような流れで資金を利用者(お店)に渡します。

まず、お店から商品やサービスを提供されるお客様はその代金をクレジットカードや口座振り込みによりPaypalに支払います。
Paypalには、お店ごとの口座があり、お客様から支払われた代金がその口座にプールされます。
Paypalはお店のリクエストによって口座に保管されたお金をあらかじめ登録された銀行口座に出金(振込)します。
お店は銀行に出金されたお金を引き出し、売り上げを回収します。
Paypal内の口座に入ったお金ですが、銀行への出金以外にも取引の支払いにもつかえます。
ただし、その場合は相手もPaypal口座を持っていなくてはいけません。
「出金先の銀行をバリ島の銀行にすれば、実質送金ができるのでは?」
と考えた方もいるかもしれません。
しかし、出金先として登録できる銀行は日本国内に限るため、バリ島の銀行に出金することはできません。
Paypalのビジネス利用は?
Paypalでは送金はできませんが、決済システムとしてはすでに広く利用されています。
ここでは、Paypalを使って商品代金の決済といったビジネス利用について説明します。
Paypalで決済
Paypalは電子決済システムです。
ECサイトなどオンラインで商品やサービスを販売した時の代金回収に使われています。
決済は主にクレジットカードと銀行振込です。
クレジットカードはVISA、Master、Amex、JCBが利用可能。
日本市場での商売でJCBが使えるのは大変ありがたいですね。
決済手数料
Paypalで決済を行った場合、決済手数料と出金手数料の2つが発生します。

お客様がPaypalにカードや銀行振り込みで代金を支払うときに発生する手数料が決済手数料です。
1件当たり代金の3.6%+40円
通常、クレジットカード手数料は3.5~4.2%と言われているので、Paypalの手数料はそれほど高いとは言えないでしょう。
Paypal口座にたまった資金を銀行口座に出金する場合にかかる出金手数料が1回あたり税込みで250円です。
ただし、出金する金額が5万円以上ならばこの手数料はかからないので、まとめて出金するようにすれば、実質手数料無料となります。
まとめて出金すれば出金手数料は無料となりますから、Paypalの手数料は3.6%+40円と考えられますね。
ビジネスの取引として使えるか
ECサイトなどオンラインビジネスを展開するうえで、クレジットカード決済は必須です。
ただ、個人事業主が直接クレジットカード会社と契約するのはほぼ不可能。
そのため、世の中には決済代行会社が沢山あり、Paypalもその一つと言えます。
決済代行会社としてPaypalを見た場合、決済手数料の3.6%+40円は大変お得な手数料。
取り扱い時の審査もそれほど大変ではなく、手続きも簡単なので、ビジネスとしてPaypalを使うのは大いにありです。
実は最近おすすめなのはStripe
Paypalと同じような決済会社として有名なのがStripe.
決済の仕組みや手続きはPaypalとほぼ同じです。
しかし、特筆すべきは決済手数料。
Stripeは、クレジットカード手数料や引き出し手数料、すべて含めて決済代金の3.6%。
Paypal ha3.6%+40円の手数料がかかりますが、Stripeは40円の手数料はかかりません。
そんなことから、PayPalからStripeに乗り換える方も増えているそうです。
インターネット向け決済システムStripeの詳細は
オンライン決済システムSrripe公式サイト
バリ島でのPaypal利用について
バリ島でECサイト運営などをする場合、Paypalを使った決済の実用性について調べてみました。
バリ島の銀行口座への出金はできない
日本でPaypal口座を作った場合、出金先銀行の登録は日本の銀行しかできません。
そのため、売上金の回収をバリ島で行うには、いったん日本の銀行口座に出金し、それをバリ島の口座に送金という手順となります。
バリ島でPaypal口座を作ったら
それではバリ島でPaypal口座を作ったらどうなるのでしょうか?
その場合、次のような問題点が発生します。
- バリ島でPaypal口座を作る場合は、インドネシア人名義でなくては作れない
- Paypalにはルピア口座が無いのでドル口座になる
- Paypalからインドネシアの銀行に出金する場合、為替レートが悪い
バリ島でPaypal口座を作った場合、ドル口座になります。
そのため、お客様への請求は米ドルとなります。
バリ島でPaypal口座から出金する場合は、米ドルをルピアに両替してからの出金となります。
この両替レートはPaypal独自のレートで、一般的なレートより若干悪くなります。
以上のことから、日本向けのECサイトでの決済をPaypalで行う場合は、Paypal日本口座をつくり、日本で決済するのが一番良いと思われます。
Paypalを使った海外送金まとめ
今回はPaypalを使った海外送金について考えてみました。
残念ながら現在の規約ではPaypalでの海外送金はできません。
あくまで、ECサイトなどの決済に使うシステムであるという事です。
バリ島内でECサイトを運営している方も多いかと思います。
その場合、Paypalインドネシアで口座開設をするのが一番簡単なのですが、口座名義や口座通貨の問題で日本市場では使いにくいでしょう。
日本向けECサイトを運営するのでしたら、Paypal日本での口座開設をし、売上金は日本の口座で受け取り、それをバリ島に送金するといった方法が現実的です。