
この記事はリタイアメントビザでバリ島に滞在している外国人の確定申告のやり方を紹介した記事です。
日本では毎年2~3月に、所得税などの確定申告をしますね。
最近はe-TAXといって、オンラインでも申告ができるようになりました。
インドネシアでも、同様に1~3月に確定申告をします。
税務署に出向いて申告してもいいのですが、オンラインでもできます。
会社務めや自分でビジネスをやられている方は、会社や税理士などに確定申告を依頼されていると思います。
しかし、リタイアメントビザなどインドネシア国内で収入が発生しない方は、確定申告もすごく簡単ですので、自分でやられることをお薦めします。
今回は、インドネシア国内で収入が発生しない方向けにオンラインでの確定申告のやり方を解説します。
この記事をよく読めば、自分で確定申告をすることができるようになります。
自分で申告すれば、税理士などエージェントに手数料を支払う必要はありません。
節約のため、自分でできることは自分で行いましょう。
今回の確定申告のやり方は、次のような条件に当てはまる方になります。
- NPWPを持っている方
- 収入がない方
この条件については「確定申告こんな人が当てはまる」の項目をご覧くださいませ。
目次
EFIN番号の取得
オンラインで確定申告をする場合、まず最初にEFIN(Electronic Filing Identification Number)という番号を最寄りの税務署で取得しなくてはいけません。
EFIN取得申請
まず最初に、最寄りの税務署(Kantor Pajak)に連絡し、EFIN申請用紙を取り寄せます。
最近はどこの税務署もWA(WhatsApp)番号を公開していますので、この番号にWAでEFIN申請書を請求すれば、すぐに送ってもらえます。

記載個所は、赤字で注釈を入れたところだけになります。
記載できたら、パスポートのコピー、NPWPカードのコピー、KITASのコピーを添えてWAで税務署に提出しましょう。
1~3月は確定申告で税務署も忙しいので、できたら12月前に申請しておきましょう。
EFIN番号の取得
EFIN申請が受理されると1~2日程度で、EFIN番号の連絡書がメールで送られてきます。

ここに書かれている「EFIN」以下の数字がEFIN番号になります。
なお、このEFIN番号は、今後毎年使うものですので、1回だけ申請・取得すればOKです。
翌年は申請しなくて大丈夫です。
担当税務署
Denpasar
KPP Madya Denpasar
WhatsApp:081138009904
担当エリア:Denpasar/Sanur
Badung Utara(北バドゥン)
KPP Pratama Badung Utara
WhatsApp:081808700200
担当エリア:Mengwi/Abiansemal/Petang/Kuta Utara
Badung Selatan(南バドゥン)
KPP Pratama Badung Selatan
Twitter:https://twitter.com/pajakbadsel
担当エリア:Kuta/Kuta Selatan
Gianyar
KPP Pratama Gianyar
WhatsApp:082211333907
担当エリア:Gianyar
オンライン確定申告のアカウント登録
EFIN番号が決まったら、次はオンライン確定申告のアカウントを作成します。
最初に税務署サイトのログイン画面にアクセスします。
https://djponline.pajak.go.id/account/login

Daftar di siniという文字をクリックしてアカウント作成画面に飛びましょう。

ここでNPWP番号と先ほど取得したEFIN番号(数字だけ)を入力します。

次の画面で氏名、メールアドレス、電話番号、そして好きなパスワードを入力します。
ここで入力したパスワードが今後サイトのログインパスワードになるので忘れないようにしましょう。

アカウント登録が完了すると、このような表示が出ますので、「OK」をクリックします。

2~3分後に登録したメールアドレス宛に、税務署からメールが届きます。
メールを開き、「AKUTIFKAN AKU」をクリックして、アカウント登録は終了です。
このアカウント登録も1回だけ行えばOKです。
ここで登録したアカウントのパスワードは、毎年使いますので、忘れないようにしましょう。
オンライン確定申告
EFIN申請とアカウント登録ができたら、いよいよ確定申告です。
ただし確定申告は1月になってからでないとできません。
まずは、税務署サイトhttps://djponline.pajak.go.id/account/loginにアクセスしましょう。

ログイン画面が開いたら、NPWP番号と、アカウント登録で決めたパスワードを入力してログインします。

ログイン後の画面の上にある「Lapor」をクリックします。

Lapor(申請)方法にはいくつかの方法がありますが、今回はe-filing(オンライン申請)を行います。
e-filingをクリックします。

いくつかの質問に答えます。
リタイアメントで収入がない方は、上図のようになります。
すべて答えると「SPT1770SS」という文字が出ますので、これをクリックします。
SPT1770SSとは、年間所得がRp60.000.000以下の低所得者ランクになります。

Tahun Pajakとは、納税年度のことで今年は2022年になります。
つまり、2022年1月から12月までの所得に対しての申告になります。
Status SPTはNormalにしてください。

次の画面では、所得金額などを入力しますが、リタイアメントで無収入の方はすべて0になります。
3の非課税所得ですが「未婚・扶養家族なし」などを選択します。
見込んで扶養家族がない場合はRp54.000.000までの所得は非課税になります。

この画面もすべて0を入力します。
最初から0と入力されているので、何もせずに「Berikutnya」をクリックしていけばいいでしょう。

この画面も0にしたまま「Berikutnya」をクリックします

ここは「入力内容に間違いはありません」といった宣誓をする画面です。
「Setuju」にチェックマークを入れましょう。

次の画面は入力内容の確認画面です。
Status SPTがNihilになっているということは、納税額は無(納税しなくてよい)という事です。
ここで、「Ambil Kode Verifikasi(検証コード取得)」の欄にある「di sini」をタップします。

ロボットなどによる自動登録やなりすましを防止するために、検証コード(Kode Verifikasi)」をメールもしくはSMSで送り、それを入力します。
そのコードをメールで送るのかSMSで送るのか選択します。
SMSの場合、うまく届かないことがあるので、Emailをお薦めします。

Emailに上図のようなメールが届きます。
この「Kode Verifikasi Anda adalah:」以下の数字が検証コードです。

先ほどの画面に戻り、「Masukan Kode Verifikasi」にメールで届いた検証コードを入れ、「kirim SPT」をクリック。
これで、確定申告は終了です。

後ほど、上図のような「確定申告受理証明書」が届きますので、大切に保管しておきましょう。
確定申告こんな人が当てはまる
今回説明したオンライン確定申告のやり方ですが、以下の条件に当てはまる方が対象になります。
- NPWPを持っている方
- 収入のない方
NPWPを持っている方
NPWPとは、納税者番号。
過去、所得税を納税したことがある方は、必ず持っているはずです。
税務署はこの納税者番号をもとに、申告漏れをチェックしています。
NPWPがあるのに、申告をしていないと税務署から申告漏れの注意勧告が来ます。
もし有効なNPWPを持っているのなら、必ず確定申告をしましょう。
NPWPについてもう少し深い話
リタイアメント移住など、バリ島で就労したことがない人はNPWPはないと思います。
しかし、ワーキングビザや投資家ビザで滞在したことがあれば、まず間違いなくNPWPはあるはずです。
ワーキングビザ、投資家ビザで滞在していたけどNPWPはないという方は、その会社に確認してみましょう。
会社退職時にNPWPを抹消あるいは休止となっているかもしれません。
抹消、休止となっていれば、確定申告は必要ありません。
10年以上前になりますが、KITAS、KITAP保有者が海外に出国する場合フィスカルという出国税を空港で納めていました。
しかし、このNPWPがある人は納めなくてもよいという法律ができて、急いでNPWPを取った人もいます。
現在はこのフィスカルという制度はなくなりましたが、仕事はしていなかったけど、この時にNPWPを作ったという方もいますので、心当たりのある方は一度調べてみましょう。
収入のない方
今回は無収入の方の確定申告の方法を紹介しました。
収入がある方で、会社務めをしているのなら、会社で確定申告はしてくれるはずです。
またご自身でビジネスをされている方なら税理士を雇って申告されているでしょう。
NPWPはあるのに無収入、という方はレアケースかもしれません。
過去仕事をしていたけれど、退職していまは無収入、といった方でしょう。
私のように、仕事を辞めてリタイアメント、もしくは結婚されて今は専業主婦といった方になると思います。
ただ、仕事を辞めた時にNPWPを破棄や休止としていないと、確定申告が必要となりますので、注意してください。
忘れていると税務署から督促が来ますよ。