
この記事は、現行のリタイアメントビザ(60歳〜)の取得条件と、今後主流となる「シルバーヘアービザ(55歳〜)」への移行に伴う変化について書かれた記事です。
記事を読まれると、現行制度で求められる要件、新制度で激変する預金額などの資金的ハードル、そして今このタイミングで申請を検討すべき具体的な理由といった事がわかります。
「将来の移住を考えているが、制度が変わって取得できなくなるのが不安」
「資金面で無理のない範囲で、確実に滞在許可を手に入れたい」
というタイミングと予算で悩まれている方は、「自分に合った最適な時期での移住実現」のためにぜひ最後までお読みください。
現在、インドネシアのビザ制度はデジタル化が進み、対象年齢や資産条件が異なる複数のカテゴリーが併存しています。
特に、これまで多くの日本人が利用してきた「60歳からのリタイアメントビザ」は、今後、より若年層(55歳〜)も対象とする「シルバーヘアービザ」へと集約されていく見通しです。
しかし、注意が必要なのはその「中身」です。
新しいシルバーヘアービザは、対象年齢が下がる一方で、数万ドル単位の現地預金証明が求められるなど、資金的な「壁」が格段に高くなる傾向にあります。
私自身、リタイアメントビザを取得して現在はITAP(永久滞在許可)でバリ島に暮らしていますが、現場の空気感としては「現行制度が維持されている今」が、最も無理のないコストで移住を叶える好機だと感じています。
この記事では現役滞在者の視点から、リタイアメント移住のためのビザ情報を整理してお伝えします。
目次
1. 2026年・バリ島リタイアメントビザの「2つの選択肢」
リタイアメントビザは「仕事をリタイアして余生をバリ島でのんびり暮らしたい」と考える外国人のための長期滞在ビザです。
このビザは以前からありましたが、近年「シルバーヘアービザ」という新しいリタイアメント移住者向けのビザ制度に完全移行される予定で、現在は旧来からある「リタイアメントビザ」と新設された「シルバーヘアービザ」の2つが混在しています。
この章では、これからリタイアメント移住を考えている方が、どちらのビザを取得したほうが良いのかを紹介しています。
1-1. 現行のリタイアメントビザ
現在のリタイアメントビザの取得には以下のような条件があります。
- 満60歳以上の外国人であること。
- US$1,500以上の年金などの安定した収入がある事。
- $35,000以上の住宅物件の購入もしくは$500以上の家賃の賃借契約をしていること。
- 2名以上のインドネシア人を雇用すること。
- インドネシアで有効な生命保険(医療保険)に加入していること。
- このビザでの就労やインドネシア企業への投資・資金提供はできません。
安定した収入や一定以上の住宅の購入か賃貸、2名以上の雇用という規定はありますが、それほど多くの資産は必要なく、年金と貯金利息や配当があれば十分取得可能なビザです。
ビザの有効期間は1年間で、満期になる前に更新手続きをすれば、さらに1年滞在期間が延びます。
この更新手続きは、何らかのトラブルがなければ、何度でもできますので、永住も可能となります。
1-2. 新設のシルバーヘアービザ
新設されたシルバーヘアーの取得条件は以下の通りです。
- 満55歳以上の外国人であること。(満60歳以上という情報もあり)
- US$2,000以上の預金証明(母国の銀行の預金証明でも可)
- インドネシア国政銀行(BCA,BNI,BRI,Mandiri銀行)にUS$50,000以上の資金入金をする誓約書
- US$3,000/月以上の収入証明
- インドネシアで有効な医療保険の加入
- このビザでの就労やインドネシア企業への投資・資金提供はできません
住宅の購入や賃貸、スタッフの雇用といった条件はありませんが、一番大きなハードルが、US$50,000以上の資金入金になります。
US$50.000というと、2026年3月現在のレートで7,750,000円。かなりの高額ですね。
資金入金ですが、移住をしなければインドネシア国政銀行の口座は作れませんので、ビザ申請時は「入金の誓約書」の提出になります。
ただし、移住後90日以内に誓約書に沿って銀行への入金がない場合、ビザは取り消しとなります。
また、入金した資金には利子も付きますし、引き出して使うこともできます。
ただし毎年行われるビザ要件確認時に、入金されていることの証明(銀行の預金証明)が必要になるので、注意してください。
ビザ取得時だけ、資金を調達して、ビザが取れたらすぐに降ろすということはできません。
このビザは5年、もしくは10年有効。
つまり、一度取得すれば5年か10年は延長手続きなどをしなくても、滞在が可能になります。
満期になれば、更新手続きを取ればさらに5年、10年の滞在が可能になります。
1-3. 結局、今から申請する人はどちらを選ぶべきか?
従来のリタイアメントビザは、取得に条件が多いですが、それほど資金準備をしなくても取得が可能です。
新設のシルバーヘアービザは、取得条件はそれほど厳しくないのですが、多額の資金が必要です。
また、従来のリタイアメントビザは今後廃止され、シルバーヘアービザに一本化される計画です。
つまり、これからビザを取得するのでしたら、資金に余裕があれば、シルバーヘアービザ、それほど余裕がなければリタイアメントビザを選択することになります。
ただし、リタイアメントビザがいつまで取れるかわからないという不安があります。
取得年齢の制限もありますが、資金余裕がない方は、急いでリタイアメントビザを取得することをお勧めします。
ちなみに、リタイアメントビザが廃止されたとしても、すでに取得したリタイアメントビザはそのまま使用ができます。
資金を調達してシルバーヘアービザを取り直すという必要はございませんので、ご安心ください。
2. 現行制度での取得方法と、必要書類
従来からあるリタイアメントビザの取得方法や費用などを紹介いたします。
2-1. 2026年現在の取得費用と手続きにかかる標準期間
リタイアメントビザは、ビザエージェントに依頼して取得します。
取得にかかる費用は、エージェントの手数料も含み、12~15万円ほどかかります。
費用に幅があるのは、依頼するエージェントによって手数料が違うからで、探せば格安で取得をしてくれるエージェントも見つかるかと思います。
この費用の中には、ビザ取得申請費用やビザ取得後に必要なITAS(居住許可)取得費用も含まれております。
ビザ取得に要する期間は、およそ1か月から2か月程度です。
以前は、日本やシンガポールなどにある在外インドネシア領事館に行ってビザを取得しなくては行けなかったのですが、現在はeVISAといって、申請や取得はすべてオンラインで行われます。
ビザ情報はパスポート番号に紐づけられて管理されているので、昔のようにビザをプリントアウトして入国審査で提出するということはありません。
ただし、念のためビザエージェントから送られてくるビザのPDFファイルをプリントアウトするか、スマホに保存しておくようにしましょう。
2-2. 政府指定の旅行会社(スポンサー)が必須となる現行制度の仕組み
リタイアメントビザはオンラインで申請取得するのなら、エージェントなど通さず自分で申請したらいいと思われるかもしれませんが、現実問題それは不可能です。
というのも、リタイアメントビザの申請にはスポンサー(保証人)が必要で、このスポンサーは政府にスポンサー登録された旅行会社と決まっているのです。
このスポンサー登録された旅行会社は、ほとんどがビザエージェント業務を行っています。
というか、エージェント業務を行っているので、スポンサー登録をしているのです。
なので、スポンサーを依頼したら、もれなくビザ取得業務も依頼することになるのです。
2-3. リタイアメントビザ取得のための必要書類
リタイアメントビザ取得をエージェントに依頼する場合に必要な書類を紹介します。
- 戸籍抄本または戸籍謄本(英訳が必要)
- 英文の履歴書(最終学歴と勤務先を記載)
- 生命保険書や医療保険証(英文)
- 預金証明(英文)
- 住宅の購入証明書または賃貸契約書
- スタッフの雇用契約書とスタッフの身分証明書(KTP)
- パスポートのコピー
預金証明は、安定した収入があることを証明するものなので、過去3か月間の口座の入出金がわかるものが必要です。
毎月US$1,500以上の入金が継続してあることがわかるものにしてください。
ビザの審査時にこれ以外の書類を請求されることがあります。
ビザエージェントから、資料請求があるので、その場合は早急に準備して提出しなくてはいけません。
どのような場合に追加請求があるかはケースバイケースなので、一概にはいえません。
3. 「シルバーヘアービザ」移行で懸念される資金的ハードル
今後全面移行が予想されるシルバーヘアービザについて、その問題点などについて紹介します。
3-1. 預金額の引き上げ:数万ドルの外貨預金が必須になる可能性
シルバーヘアービザの取得でもっとも問題となるのが、インドネシア国政銀行へのUS$50,000以上の資金入金です。
2026年3月のレートを基に計算すると7,750,000円相当になり、この資金が必要となります。
入金した資金には、利子が付きますし、引き出すことも可能。
ただし、毎年行われるビザ要件確認時にちゃんと預金されていなくてはいけません。
つまり、ビザ取得時にどこからか調達し、取得できたらすぐに引き出せばいいというものではないのです。
毎月US$3,000以上の安定した収入も必要で、さらにこの預け金が必要なので、資金面でのハードルがかなり上がっています。
3-2. 本人申請システム(eVISA)と、申請の手間
このシルバーヘアービザにはスポンサーは不要です。
さらに、ビザ申請はすべてeVISAというシステム(Webサイト)で行います。
つまり、外国人個人が日本にいながらインターネットを使って申請、取得が可能ということです。
しかし、必要書類の作成やネットを使っての申請はかなり面倒です。
時間もかかりますし、書類不備があれば申請は受け付けてもらえません。
さらに、書類不備があっても、どこが悪くてどのようにすればよいかなんて指導もありません。
語学や法律などに詳しく、時間も十分ある方なら、自身でチャレンジしてもいいと思いますが、はっきり言って外注、つまり簿座エージェントに依頼してしまったほうが、お金はかかりますがストレスもなく、確実だと思います。
3-3. 移行後に「現行制度の条件」での更新は維持されるのか?
シルバーヘアービザが発表され、将来こちらに移行すると発表された際、すでにリタイアメントビザで移住している在住者の間で「これまでのビザは破棄され、新たにシルバーヘアビザを取得しなおさなくてはいけないのか?」という話題が広がりました。
結論から言うと、それはありません。
皆さん、ビザと居住許可(ITAS,ITAP)を混同されているので、このような誤解が生まれたのです。
ビザというのは、入国許可で、居住許可というのは、インドネシア国内に長期滞在していいという許可です。
つまり、リタイアメントビザは入国するとき、1回だけしか使わず、入国したらもう使わないものです。
そして入国した後、ITASやITAPを取得し、インドネシア国内に滞在許可期限まで滞在するのです。
また、ITAS,ITAPを取ればその有効期限内なら、インドネシアに入国するときビザを取得する必要はないのです。
なので、すでにリタイアメントビザで入国し、ITAS,ITAPを取っている人なら、シルバーヘアービザに移行しても、再度シルバーヘアービザを取得しなおす必要はないのです。
ただし、何らかの理由でITAS,ITAPを破棄してしまったら、次回インドネシアに入国する際は何らかのビザ取得が必要となります。
4. ビザ申請にエージェントは使うべきか?
リタイアメントビザの申請はeVISAというオンラインで行います。
ということは、ビザエージェントを使わず、自分で申請取得することはできるのでしょうか?
4-1. 現行リタイアメント:スポンサー義務によりエージェント依頼が「必須」
現行の長期滞在ビザは、申請にスポンサー(身元保証人)が必要。
リタイアメントビザの場合、政府に登録された旅行会社がスポンサーになります。
この政府登録旅行会社はビザエージェント業務も行っており、エージェント業務はやらずスポンサーだけという旅行会社は私の知る限り有りません。
つまり、リタイアメントビザを取得したいからスポンサーをやってほしいと依頼したら、もれなくビザ取得はうちが代行しますとなるわけです。
なので、現行のリタイアメントビザはビザエージェントに依頼するのが必須となっています。
4-2. シルバーヘアー:スポンサー不要だが「言語・書類・手間」の壁が残る
シルバーヘアービザは多額の資金入金を条件にスポンサーは不要となっています。
なので、外国人個人でeVISAサイトを通じて申請、取得が可能です。
ただし、申請には多くの資料が必要で、すべて英語かインドネシア語に翻訳が必要。
さらに、資料に不備があったら申請は受け付けてもらえず、どこが間違っているのか指導もされません。
なので、将来自分でビザエージェントをする方なら別ですが、1度だけのビザ取得のために、労力を使うのも馬鹿らしいので、お金はかかりますが、エージェントに依頼してしまったほうが時間も労力も節約できるでしょう。
4-3. 結論:外注化することで「確実性」と「移住準備の時間」を買うという選択
結局、ビザの申請取得はお役所仕事で、サービス業ではありません。
それに時間や手間をかけるのなら、慣れているビザエージェントにお金を払ってでも依頼してしまったほうがストレスもなく、早く確実にビザ取得ができるというものです。
5. まとめ:賢い選択で、理想のバリ島ライフをスタートさせよう
5-1. 現行制度がある「今」が、最も無理のない移住のタイミング
将来、仕事をリタイアしてバリ島でのんびり暮らそうと考えている方、できたら急いでビザ取得を計画されたほうがいいでしょう。
というのも、インドネシアのリタイアメントビザは、今後シルバーヘアービザに移行していきます。
シルバーヘアービザの方が、取得条件は緩くなりますが、その分必要な資金が急増します。
資金に余裕がある方なら問題ありませんが、一般的な会社員や自営業の方ならシルバーヘアービザは資金的にハードルが高いかと思います。
シルバーヘアービザへの完全移行はいつになるかは、まだはっきりと発表されていません。
なので、移行する前に、資金的なハードルが低い現行のリタイアメントビザを取得されることをお勧めいたします。
5-2. バリ島在住者として、あなたの移住準備を応援します
私は2008年にバリ島に移住し、現地法人でワーキングビザを取得して仕事をしていました。
そして2021年に60歳になったのを機に仕事を退職し、リタイアメントビザを取得し、現在はITAPを取ってバリ島に滞在しています。
このような過去の経験をもとに、リタイアメント移住を考えている方に、アドバイスや移住のお手伝いをさせていただければ、いいなと考えております。
もし、バリ島移住を検討していて、わからないことなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ画面より問い合わせていただければ回答させていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
