海外移住、住民票は抜く?それとも残す?私は抜きました
海外に移住するんだけど、住民票どうしよう?
住民票抜いたら、健康保険とか年金が受けられなくなるから抜いちゃだめだよ!
いや、住民票残して置いたら住民税とかかかるから、損しますよ!
そもそも、住んでいないから住民票は残しておいちゃダメでしょう~
う~ん、海外移住するとき住民票を抜くのか、残すのか?
これって、結構悩みますよね。
あなただったら、どうしますか?
私はバリ島に移住するとき、住民票は抜きました。
その理由ですが
- 法律では居住地区を変えたら速やかに住民票を移動しなくてはいけない
- 住民票を残しておくと住民税がかかる場合がある
- 住民票を抜くと健康保険組合から脱退しなくてはいけないが代替え方法がある
- 住民票を抜けば年金支払いの義務がなくなる
- 住民票を抜かないと在外人投票ができない
という事からです。
ところで、住民票の話をすると、戸籍や国籍と混同される方がいます。
住民票(じゅうみんひょう)とは、日本において市町村と特別区で作成される住民に関する記録。
各市区町村ごとに住民基本台帳にまとめられていて、現住所の証明、選挙人の登録、人口の調査などに利用されている。詳細は住民基本台帳法で規定されている。
Wikipediaによる
また
住民票は、「住民の居住関係を公に証明するもの」で、戸籍は、「人の出生・死亡・婚姻・離婚・縁組などの重要な身分関係を登録・公証する公文書」で、身分事項を証明するもの
「住民票と戸籍の違いは何ですか(浦安市HP)」より抜粋
つまり、住民票と戸籍とは別物であり、住民票を抜いたからと言って、戸籍や国籍がなくなるわけではありません。
という事で、今回は海外移住するときに住民票は残しておいた方がいいのか、抜いたほうがいいのかについて、私の考えをご紹介します。
ただし今回の事例は独身者に当てはまります。
なぜなら、家族のある方はお子様の就学や育児手当などの面でまた違った判断が必要だからです。
住民票を抜くことにはメリット・デメリットがあります。
判断を間違うと、かなり損をすることもありますので、今回の内容をよく吟味して、自分の場合に置き換えてご検討をしてください。
住民票の法律的な問題
居住地区を変更した場合は速やかに住民票の住所変更の届け出を行わなくてはいけません。
これは法律上の義務であり正当な理由なく届け出をしない場合は5万円以下の過料に処されることがあります。
つまり、海外へ移住する場合は法律で転出届を出さなくてはいけないことになっています。
しかし、海外移住ではなく、海外旅行や海外出張の場合は転出届は出す必要がありません。
海外移住なのか、長期の海外旅行なのか、この区別は非常にあいまいと言えると思います。
私がバリ島に移住するとき、地区の役場で言われたのは
「1年以上、海外に滞在する場合は移住とみなし転出届を出してください」
という事でした。
個人の状況によって変わるとは思いますが、1年以上海外に住む場合は転出届を出して住民票を抜いたほうがよさそうですね。
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住民税の問題
住民票を残しておくと住民税がかかる場合があります。
では、住民税を抜けば、その時点で住民税はかからなくなるのでしょうか?
実は、そうではないのです。
住民税は前年の1月1日から12月31日までの収入を基に1月1日時点での住所に基づき支払い義務が生じます。
※無収入でも住民税がかかるのは前年に収入があるから?(All About)
私の場合、2008年7月13日に住民票を抜きバリ島に移住しましたが、住民票を抜く際に2007年の収入に即した住民税の支払い手続きを済ませてから出発しました。
もちろん、それ以降は日本国内に居住しておらず、かつ日本国内での収入はありませんので住民税は支払っておりません。
では、住民票を残して置いたらどうなるのでしょうか?
住民票を残しておいても収入がなければ住民税や所得税はかからないはずです。
ただし、知人の話によると市から「税金の申告がないけどどうなっているのか?」という問い合わせが実家の方に来たそうです。
住民票を残しておいても、抜いても住民税に関してはそれほど影響はないようですが、税務申告などの面から抜いておいた方がよさそうですね。
健康保険の問題
住民票を残しておけば、国民健康保険組合に加盟できます。
そのために、住民票を残している移住者もいます。
もちろん、月々の保険料の支払い義務はあります。
ただし、日本の国民健康保険に加入しておく必要はあるのでしょうか?
日本の健康保険は、海外で発生した怪我や病気にも対応します。
しかし、保険金の給付を受けるには
- 日本帰国後に医師の診断書や治療報告書を提出する
- 治療費の3割は自己負担
- 保険の時効は2年なので、2年以内に支給手続きをしなくてはいけない
という条件があります。
しかし、海外には国際保険があります。
私もプレデンシャルというアメリカの保険に入っています。
国際保険なら、キャッシュレスで100%(条件による)治療費が支払われますので、日本の健康保険よりお得だと思います。
そのような理由で私は国民健康保険組合は脱退しました。
国民健康保険をうけるのなら住民票は抜かない方がいいのですが、私は健康保険は必要ないと判断し住民票を抜きました。
健康保険については、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひご一読ください。
年金の問題
住民票を抜くと年金の支払い義務はなくなります。
逆に言うと、住民票を抜かないと年金の支払い義務が発生します。
ここで良く勘違いされるのは、住民票を抜いてしまうと年金がもらえないという間違った解釈です。
そんなことはありません。
住民票を抜いて、年金の支払いをしなくても、それまで支払った分に相当する年金はちゃんと受給できます。
もちろん、支払っていない分がありますので、受給金額は減ってしまいます。
また、任意継続という方法もあります。
住民票を抜いても、希望すれば年金の支払いが続けられます。
年金に関しては、住民票を抜いても支払い相当分の受給ができますし、任意継続で支払い続けることもできます。
選挙の問題
選挙の投票は基本的に住民票のある場所で投票しなくてはいけません。
つまり、住民票を抜かないでおくと、選挙があるたびに住民票のある場所で投票をしなくてはいけません。
あるいは、決められた手続きで不在者投票をしなくてはいけません。
しかし、住民票を抜いておけば、在外投票ができます。
在外投票とは、海外に住んでいる人が外国にいながら国政選挙に投票できる制度です。
この在外投票をするには在外選挙人登録が必要で、その登録をするには住民票の転出届が条件となっています。
私は、この在外選挙人登録を済ませており、バリ島の在デンパサール領事館で在外投票をしております。
住民票を残しておくと国政選挙のたびに住民票のある地区で投票しなくてはなりません。
外国にいながら投票できる在外投票をするためには住民票を抜かなくてはいけないのです。
まとめ
長くなりましたので、最後にまとめておきたいと思います。
- 1年以上海外で生活する場合は、転出届を出して住民票を抜いておくのが望ましい
- 住民票を残しておいても無収入なので住民税の納付義務はないが、無収入証明などがあって面倒
- 住民票を抜いたら健康保険は使えないが国際保険をつかえば問題ない
- 住民票を抜いても年金の受給はでき、任意継続で支払いすることもできる
- 住民票を抜かないと国政選挙の在外投票ができない
という理由により、私は住民票を抜きました。
住民票を抜くか残すかは個人の事情などもあるので一概には言えませんが、独身者の場合は抜いてしまった方がいいと思います。
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