バリ島に移住や長期滞在する時心配なのがバリ島の医療体制ですよね。
特に、リタイアメントで移住されるシニア層の方は、日ごろの体調管理や生活習慣病、そしてシニアケアーの心配が大きいと思います。
そこで、今回はバリ島内に4つの分院を持つカシイブ病院に以下のようなことを聞いてきました。
- カシイブ病院の医療体制
- カシイブ病院のシニアケアー体制
- 保険の適用について
昔からバリ島にはリタイアメントの方が多く滞在していますが高齢者向けの医療やケアは不十分でした
しかし、最近ではホームケアやデイケアなど高齢者向けの医療サービスがどんどん始まっております
高齢者でも安心して生活できるバリ島
いいですよね#バリ島移住生活— とりいただし@バリ島ウブド移住生活 (@monbuu) November 17, 2019
バリ島の医療体制について、まだまだ心配という方も多いと思います。
しかし、確実に進歩してきていますし、シニアケアーもこれから発展していくと思います。
今回の記事は特にシニア層の移住希望者に方に読んで頂きたいと思います。
医療に対する現状をしっかりと理解していただき、移住生活をしっかりと計画してください。
カシイブ病院の医療体制
カシイブ病院は、デンパサール、ジンバラン(クドガナン)、タバナン、サバ(ウブド)とバリ島内に4つの分院を抱える私立病院です。
オーナーの意向でなるべく最先端の医療器材と医師をそろえているという事です。
今回はデンパサール本院を見学させていただきました。
受付、救急体制
病院玄関を入ると総合案内所があります。
通常は、こちらで病状などをお話しいただき、しかるべき治療室等に案内してもらいます。
こちらは、救急窓口です。
救急車が横付けできるようになっており、救急患者はこちらに運び込まれます。
救急処置室は、ローカルと外国人用に分かれており、こちらは外国人専用です。
24時間体制で医師と看護師が待機しています。
日本人専用施設
デンパサール本院には日本人専用の待合室と診察室があります。
救急の患者さんは先ほどの救急窓口に回りますが、そうでない患者さんはこちらのお部屋で診察等を受けます。
待合室には、無料のドリンクやスナックも用意されているそうです。
日本人専門の診察室です。
ドクターはインドネシア人ですが、日本人スタッフが通訳をいたしますので、言葉の障害はありません。
また、デンパサール本院ではテレメディスンという取り組みを行っております。
これは、日本の心臓専門医である弓野医師(ゆみのクリニック)とインターネット回線でつなぎ、病状や治療方法などについて相談をする取り組みです。
料金は初回(診察、心電図検査、テレメディスン)でRp2,000,000.
2回目以降(診察、テレメディスン)でRp1,000,000
となります。
日本の心臓専門医の医療相談ができますので、かなり安心できると思います。
検査等医療設備
こちらはX-線撮影機です。
X-線撮影機については、ローカル向けの病院でも設置しているところが多いですね
CT-スキャン装置です。
最近はローカル病院でもCT-スキャンを持っているところも増えましたが、検査技師が不足していて、毎日検査できないという病院もあります。
カシイブ病院は検査技師が常駐しているそうです。
MRI検査装置です。
私立病院でMRIを持っているところはごくわずかという事です。
カシイブ病院では人工透析装置もあります。
人工透析治療に関しては、予約制になっているので、必ず事前に相談をしてほしいとのことです。
透析治療費用はRp1,000,000/1回程度かかるそうです。
病室
カシイブ病院デンパサール本院の4階は外国人専用の病室となっており、外国人は個室の病室となります。
取材日は一般病棟が空いていなかったので、VIPルームを見せていただきました。
患者さんの電動ベットの他、付き添いの方のためのベットや応接セット、キッチンなども完備されたスイートルームです。
もちろん、保険は適用されません。
保険適応の病室はこの半分くらいの広さになるそうです。
カシイブ病院のシニアケアー体制
カシイブ病院では一般の患者さんはもちろん、シニア層への取り組みも力を入れています。
メディカルチェックアップ
保険適応外になりますが、メディカルチェック(健康診断)を行っています。
健康診断のために、日本に帰ることを考えたら、手軽に定期的に検診が受けられ、健康管理に役立つと思います。
メディカルチェックには検査項目によりいろいろなコースが設けられています。
ベーシック的なもの3つの料金をご紹介します。
- ベーシック(身体検査、血液検査、肝機能検査、血糖値、脂肪):Rp650,000
- シルバー(ベーシック+心電図、検尿、検便、腎機能、胸部レントゲン):Rp1,450,000
- ゴールド(シルバー+B型肝炎、HbA1C、内科検診):Rp2,500,000
紹介したコース以外にも多くのコースがありますので、カシイブ病院にお問い合わせください
ホームクリニックサービス
在宅医療サービスで日本風に言うと往診になると思います。
自宅での医療サービスなので次のような方におススメです
- 高齢で外出が難しい方
- 手術後など自宅療養中の方
- 病院まで距離があり、通院が難しい方
ホビークラブ(デイケア)
ホビークラブとは、フィンランド発祥のシニアケアの一環で、日本ではデイケアと言った方がわかりやすいでしょう。
デンパサール市内トゥクウマール通りに専用施設があり、そこでアクティビティやヨガ、カルチャースクールなどを行っています。
専門のトレーナー以外にも医療スタッフもいますので、安心できます。
高齢のかたはどうしても家に閉じこもりがちになるので、このような施設を利用して活発に行動されると精神的にも健康になっていくと思います。
シニオールサービスアパートメント
高齢者の方が安心して暮らせる快適な住まいの提供も計画されているそうです。
バリアフリー設計された住宅と充実した医療サービスがセットになった、高齢者のためのアパートメントだそうです。
保険の適応について
日本国内では国民健康保険があるから、病気、怪我の時はすぐに病院等で治療してもらえます
しかし、海外では治療費の支払いが保証されない限り治療はしてもらえません
だから、海外旅行では旅行保険が必須なんですよ安心して旅行するためにも保険に入っておきましょう#バリ島移住生活
— とりいただし@バリ島ウブド移住生活 (@monbuu) November 21, 2019
日本国内では、健康保険があるので、治療費はそれほど高額にはなりませんが、海外では100%自分で負担しなくてはいけません。
さらに、効果の高い薬剤や医療機器などはすべて輸入品ですので、バリ島での医療費はとても高額となります。
また、支払いが確約されていない場合は、治療を受けられないのです。
ですので、海外で病院に行くには保険が必ず必要です。
その保険の適応に関してカシイブ病院で聞いてきました。
海外旅行保険
カシイブ病院ではほとんどの海外医療保険に対応しております。
以下の会社の海外旅行保険に関してはキャッシュレス治療が可能です。
- あいおいニッセイ同和損害保険
- AIG損害保険
- ソニー損害保険
- 朝日海上保険
- 富士火災海上保険
- ジェイアイ傷害保険
- 三井住友海上保険
- 日新火災海上保険
- 損害保険ジャパン日本興亜
- 東京海上日動火災保険
- 楽天損害保険
- CHUBB損害保険
海外旅行保険を使う場合は、以下の物を病院にお持ちください。
- 保険証書
- パスポート
- 航空券チケットの半券またはE-チケット
必要なものの中に航空券チケットがあります。
保険手続きの中で日本の出国日が大変重要になります。
パスポートに出国日スタンプが押してあればいいのですが、自動出国ゲートを使って出国した場合、パスポートに出国日スタンプが押されていません。
その場合は、出国日確認のため日本を出発した航空券チケットの半券もしくはEチケットが必要となります。
クレジットカード付帯保険
最近は海外旅行保険を使わずクレジットカードの付帯保険を使う方が増えています。
もちろん、カシイブ病院でもカード付帯保険は利用できます。
しかし、カード会社によっては、指定病院しか使えなかったり、キャッシュレス治療ができない場合もあります。
付帯保険を使う場合は、病院に来る前にクレジットカード会社に連絡し、条件などを確認してください。
せっかく病院に来たけど、保険が使えず、全額自己負担となるケースが時々あるそうです。
高齢者の保健
移住や長期滞在の場合は、海外旅行保険やクレジットカード付帯保険は利用できません。
そのため、長期滞在者はインドネシアのローカル保険に加入することになります。
カシイブ病院では、ローカル保険にも対応しています。
ただし、ローカル保険のほとんどが65歳以下が対象となっており、65歳以上の高齢者が入れる保険はありません。
では、高齢者はどうしたらいいのでしょうか?
一つは日本の国民健康保険を利用する方法です。
国民健康保険はキャッシュレス治療はできませんので、とりあえず自己負担で治療費を支払い、帰国後清算します。
また、健康保険を使うには住民票は置いておかなくてはいけません。
もう一つは海外旅行保険を使う方法です。
ただし、海外旅行保険はあくまで旅行の保険ですので、1年に一度以上は日本に帰国する必要があります。
このように高齢者の医療保険は非常にハードルが高くなっています。
また高齢者の医療は時間がかかる事が多いですね。
ですので、バリ島では応急処置的な治療をして、本格的な治療は日本に帰国してから受けるという事も考えておいた方がいいと思います。
カシイブ病院データー
- 病院名:カシイブ総合病院/Kasih Ibu Hospital
- Webサイト:http://japan.kih.co.id/
- アラームセンター(緊急連絡先):0361-3002102
- 日本語対応連絡先:085-1008-73432/081-1380-00112
動画でもカシイブ病院の紹介をしています。
こちらもよろしければご覧ください
ということで、カシイブ病院の医療体制と保険についてまとめてみました。
昔は、バリ島の医療水準は低く、病気になったら日本に帰らなくては治療できないと言われていました。
しかし、最近は医療水準も上がり、ある程度の事ならバリ島で対応できるようになってきました。
それでも、医療水準や保険の問題で、大きな病気はやはり日本に帰国して治療する必要があります。
いざとなったら、日本に帰国するという気持ちで移住をされた方がいいでしょう。
ということで「バリ島医療事情・カシイブ病院に行って聞いてきた」でした。