バリ島の医療費と医療保険
バリ島など海外で長期滞在するとき、心配になるのが医療体制ですよね?
バリ島で病気になったらどうしよう?
交通事故などにあったら、どうしたらいいの?
大丈夫です!
医療レベルは日本ほど高くありませんが、バリ島にも病院や診療所があります。
病気になったり、怪我をしたら、まずは病院、診療所にいきましょう。
でも、海外は医療費が高いって聞いています。
すごい高額の請求が来るんじゃないでしょうか?
はい、そうですね。
日本国内の場合、国民健康保険がありますので医療費はそれほど高額にはなりません。
しかし、海外では国民健康保険はその場で使えないので、高額な医療費を支払わなくてはいけません。
ほら~、やっぱり医療費は高額になるじゃないですか!
何とか医療費を安くする方法はないんですか?
海外での医療費を安くするには、やっぱり保険に加入することです。
先ほど、バリ島には病院、診療所があると言いましたが、もう少し詳しく説明しますね。
バリ島の病院は、ローカル向けの病院と外国人向けの国際病院があります。
国際病院は医師や看護婦はインドネシアの方ですが、外人のアドバイザーがいたり、通訳さんもいますので、外国人でも安心して診療を受けることができます。
特に、病気や怪我をしているときは、日本語通訳さんがいるととても心強いですね。
ところが、この国際病院はローカル病院に比べ医療費が大変高額になります。
また、その国際病院でも対応できないような重篤な病気、怪我の場合、シンガポール、タイ、日本と言った外国に緊急輸送しなくてはいけません。
そうなると、輸送費などもかかり、医療費は大変高額となります。
このことから、安心してバリ島に長期滞在、移住するには医療保険が不可欠という事が分かってもらえると思います。
今回は、バリ島在住のとりいがバリ島の医療費や医療事情について、実体験をもとにご紹介します。
また、医療保険についても、わかる限り解説していきたいと思います。
バリ島に移住、長期滞在を考えている方、特に体に不安のある高年齢の方に読んで頂くと幸いです。
バリ島医療の現状
最初にバリ島の医療現状についてご紹介します。
バリ島各地に病院、診療所があります
バリ島各地には、病院、診療所があります。
各県の中心地(県庁所在地)や大きな町には、公立、私立の大きな病院があります。
また、田舎町でも診療所があり、病気や怪我の時は診察してもらえます。
また、デンパサールにはサンラー病院というバリ島で最も大きな病院があり、各地の病院や診療所で対応しきれない場合はここに運ばれ高度医療を受けることができます。
お医者さんには一般医と専門医がいます
バリ島のお医者さんはもちろん、全員インドネシア人です。
外国人は医師免許があっても、アドバイスはできますが実際の診療や治療はできないそうです。
お医者さんには一般医と専門医がいます。
一般医は、いちおう何でも対応するそうですが、一般医で対応できない場合は専門医の所に回されます。
医療レベルは先進国に比べまだ低い
医療レベルは、アメリカやオーストラリアなどの先進国に比べたら、まだ低いところがあります。
ただし、デング熱や腸チフス、アメーバ赤痢というバリ島に多い病気に関してはかなり慣れているようで、的確な治療をしてもらえるそうです。
外国人向け国際病院がある
クタ、ヌサドゥアなど外国人が多い南部ビーチエリアには、外国人向けの国際病院(インターナショナルホスピタル)があります。
お医者さんや看護婦さんはインドネシア人です。
しかし、外国人のアドバイザーがいたり、通訳さんがいるので、外国人にとってローカル病院より安心できます。
病気や怪我をしたときは、語学に堪能な人でもパニックになってうまく言葉が出てこなかったり、細かいニュアンスが伝わりませんよね。
そんな時、専門の通訳さんがいるととても心強いです。
旅行者、在住者にかかわらず、外国人はこの国際病院にかかる方がいいと思いますが、南部エリアに集中しているのと、医療費がローカル病院に比べ高額になるのがネックです。
先日、バリ島内に4つの分院を持つカシイブ病院に行って、外国人医療の実際と保険、そしてシニアケアについてお話を伺ってきました。
こちらの記事にカシイブ病院の医療体制やシニアケアー、そして医療保険についてまとめてありますので、ご覧ください。
YouTubeにもまとめてありますので、ぜひご覧ください。
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バリ島の医療費の実際
それでは、バリ島の医療費の実情を説明します。
これは、とりいがこれまで受けた治療を基にしておりますので、実際と食い違うことがあるかもしれません。
ご了承願います。
ローカル病院の場合
治療費
簡単な怪我や風邪、腹痛などの軽い病気の場合は2,000円~5,000円程度です。
入院が必要な場合は治療費や薬代、食費など込みで1日10,000円程度になります。
ただし、高額な薬を使ったり、豪華な病室を使うとその分高額になります。
入院費は一般的な個室を想定してお話しました。
個室ではなく、複数の患者さんが入る大部屋ならもっと安くなります。
ただし、外国人には大部屋はお勧めできません。
バリ島の場合、入院患者が出ると、家族、友人、親せきなどがつきっきりで看病します。
病院には付添用の部屋などはないので、病室の床にシートをひいて寝たり、病院の待合室で寝たりしています。
このように、病人以外にもたくさんの付き添いがいる大部屋では、外国人はちょっと適応できません。
そのため、外国人には個室をお勧めするのです。
手術費
手術費はケースバイケースです。
簡単な骨折なら10万程度ですが、複雑な骨折や大きな手術になると数十万円から百万円以上かかります。
薬代
薬ですが、ジェネリック薬品など安い薬を使えば数百円程度で済みます。
しかし、効果が強い輸入薬を使うと数千円になってしまいます。
実例
ここからは、とりいがローカル病院にかかった時の医療費についてご紹介します。
- 風邪をひいて病院に行った:治療費+薬代=3,000円
- デング熱で5日間入院:治療費+入院費=12万円
- 腎盂炎で病院で治療:診察+注射=4,000円
- バイクのマフラーで足をやけど:診察+薬・包帯(一週間分)=8,000円
国際病院の場合
治療費
簡単な病気、怪我で1万円程度
入院が必要な場合は2-3万円/1日。
心臓など専門的な病気の場合、1日10-20万円以上かかることもあります。
手術費
ケースバイケースですが、50万-100万円以上かかるという話も聞いています。
薬代
基本的に輸入薬が処方されますので、1,000円-1万円くらいかかります。
実例
とりいが実際に国際病院に行った時の実例です。
- 腰痛で受診:診察+X線撮影+湿布薬=15,000円
- 下痢で受診:診察+下痢止め=6,000円
- 風邪で受診:診察+薬代=4,000円(30%OFF)
最後の30%OFFですが、新たにできた国際病院でしたので、オープニングキャンペーンで30%OFFになりました。
国際病院はほとんどが私立病院なので、キャンペーンなどを行うことがあります。
海外搬送
病気や怪我が重篤でバリ島、インドネシアでは治療ができない。
あるいは、患者さんの希望で海外や母国(日本)で治療する。
こんな場合は、緊急輸送となります。
自分で歩いて飛行機に乗れるような状況ならいいのですが、担架のまま搭乗するなど緊急搬送の場合は、数百万から一千万円以上かかるそうです。
医療保険
このようにバリ島で病気、怪我をした場合は高額な医療費がかかりますので、医療保険は必要です。
ここでは、バリ島での医療保険について説明ます。
クレジットカード付帯保険
カード会社と提携している病院で全額保険会社負担もしくは、一部保険会社負担で治療が受けられます。
治療費の支払いも、病院が直接保険会社に請求するキャッシュレスと、利用者がいったん全額建て替え、後日保険会社から返金という後日清算があります。
保険の適応金額や条件などはカード会社やカードランクによって違いますので、各々お調べください。
また、ほとんどの国際病院はカード会社と提携していますので、カード付帯保険を使う場合は国際病院に行かれる方がいいでしょう。
この保険は短期の海外旅行には対応していますが、長期滞在には対応していないことがほとんどです。
長期海外旅行保険
海外旅行者向けの保険です。
一週間とか、旅行期間に合わせた保険がほとんどですが、1~2年の長期保険もあります。
1年間の保険の場合、保険金は18万~35万円
催行治療費1千万円~3千万円まで対応してくれるそうです。
他にも、損害賠償や携行品の破損、盗難、飛行機遅延まで対応してくれる保険もあるそうです。
詳細は以下のサイトをご覧ください。
長期渡航者向けの海外旅行保険
BPJS
インドネシアの国民健康保険です。
以前から、貧困者向けなどの健康保険がありましたが、数年前に保険制度を改革して、日本のように国民全員が加入できる健康保険がスタートしました。
インドネシア国民以外にも、外国人も加入できますが、KITAS(暫時滞在許可)の保持が条件です。
KITASについては、以下の記事に説明がありますので、ご確認ください。
保険料ですが、会社員など所得(給料)がある人は、その5%です。
ただし、会社が4%負担しますので、個人負担は給料の1%となります。
補償は、治療費、入院費は全額保険が負担します。
ただし、制限があるようで、入院する場合は大部屋、薬もジェネリック薬品となっています。
このBPJSですが、外国人も加入できるのはありがたいのですが、基本的にローカル向けなので外国人には使いずらいところがあります。
その理由は
- BPJS保険で受診できる病院、受信時間が決まっている(救急の場合は別)
- 基本的に診察は一般医で専門医にかかる場合は一般医の紹介状が必要で別料金がかかる事もある
- 入院時病室は大部屋となる
- 治療や投薬のレベルは低い
- 治療費の規制があるようで大きな病気や怪我には対応できていない
BPJSを使った治療や入院について、現状をご紹介した記事がありますので、そちらもご覧ください。
インドネシアの国民保険BPJSは日本人にとって使える保険なのか?
鳴り物いりで始まった保険制度ですが、実際開始してみると徴収する保険費に対し医療費が多く、財政負担となってしまったようです。
そのため、高度な医療(高額な治療)が必要な場合は保険適応外となります。
また、最初はKITASを持つすべての外国人も加入できていましたが、現在はワーキングビザの外国人しか加入できなくなっています。
国際保健
イギリスやオーストラリアなど海外の保険会社でインドネシアでも使える医療保険、損害保険があります。
私は、プレデンシャル保険という保険会社の損害保険に加入しているので、その実例をご紹介します。
保険料は、1月Rp250,000(約2,000円)です。
補償ですが、怪我の場合は全額、病気の場合は3日以上の入院の場合、治療費、入院費全額負担してもらえます。
ただし、補償の上限があるようで、高額な病室の場合、一部負担となります。
以前、デング熱で入院した際、最初の1日だけ病室がなく1日20,000円のVIPルームに入りました。
そのさいは、さすがにこのVIPルームの部屋代は負担してくれませんでした。
ただし、それ以外の入院費、治療費はすべて保険で支払いました。
日本の国民健康保険
日本の健康保険を使うという事もできます。
私も、移住当初、友人家族から国民健康保険の継続を勧められましたが、脱退しました。
この時の理由、状況は以下の記事にまとめてありますので、ぜひご一読願います。
国民健康保険の場合、海外の病院から保険組合へ請求はできません。
一旦、利用者が治療費を支払い、治療内容証明や領収書を帰国後、地元の健康保険組合に提出し、審査を受け治療費の70%が還付されます。
また、時効があり治療を受けて2年以内に請求しないと、請求権はなくなってしまいます。
キャッシュレスで治療してもらえない事と、帰国後でなければ清算できないことから、国民健康保険組合を脱退することにしたのです。
また、国民健康保険はその地域に住民票がないと加入することができません。
移住するにあたり、住民票を抜く(移転届を出す)と、健康保険組合から脱退させられます。
このような理由から国民健康保険は、バリ島移住には適応できないと考えます。
医療保険の使い分け
滞在の機関やビザの種類によって、医療保険は以下のように使い分けたら以下と思います。
- 短期の旅行:クレジットカード付帯保険もしくは海外旅行保険、国民健康保険
- VOA,ソシアルビザでの滞在:長期海外旅行保険、国民健康保険
- KITAS取得後:簡単な病気怪我はBPJS、入院が必要な病気、怪我は国際保健
長期滞在する場合は、BPJSと国際保険の二重対応がお勧めですが、BPJSかにゅが難しければ、国際保険の加入を強くおススメします。
まとめ
今回はバリ島の医療事情と医療保険についてお話ししました。
長くなりましたので、最後に簡単にまとめます。
- バリ島にはローカル病院とインターナショナルホスピタルがある
- 外国人なら通訳もいるインターナショナルホスピタルがオススメだが、医療費は高額になる
- ローカル病院もそれなりに医療費は高額
- 万一のために保険に加入は必須
- KITAS未取得の場合は、長期海外旅行保険で対応
- KITASが取れたらBPJSと国際保険の二重対応がオススメ
- 国民健康保険は長期滞在では使えない
長期滞在していくと、どんなに気を付けていても、病気、怪我はするもの。
軽いものなら心配ありませんが、入院が必要なものだと、やっぱり医療費が心配になります。
転ばぬ先の杖ではありませんが、移住、長期滞在される場合は、かならず医療保険のこともしっかりと考えておきましょう。
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