最近、海外移住を検討される方が増えているそうです。
特に、東南アジアの国々への移住が人気という事。
生活費が安い、日本から近い、文化が日本と似ているという事がその理由でしょうか?
さて、私も10年前にバリ島に移住してきました。
その時も、安い生活費や日本からの距離、文化などの理由でバリ島を選んだのです。
で、実際10年間バリ島に暮らしてみて、海外移住を検討されている方にバリ島はお勧めできるのでしょうか?
結論から言うと、
- のんびりと暮らすには良い場所
- 仕事や事業で成功するにはちょっと難しい
- 体が元気なうちはいいが、介護が必要になると厳しい
と思います。
やはりバリ島は観光の島。
ある程度資金に余裕がある方が、のんびりと暮らすにはいいけれど、バリ島でバリバリ働いて稼ごうというのは難しいですね。
このような結論になったのは、バリ島移住にはおススメできるポイントとおススメできないポイントがあるからです。
では、おススメできるポイント、できないポイントとはどのようなものなのかをこの後説明していきます。
海外移住先としてバリ島を検討されている方にぜひ読んで頂き、後悔しない海外移住を実現してもらいたいと思います。
バリ島移住おススメできるポイント
それでは、まずバリ島移住のおススメできるポイントについて挙げていきたいと思います。
おススメできるポイントの要点は生活のしやすさです。
ストレスフリーの生活ができるという事が、一番のおすすめポイントなのです。
気候が良いところ
バリ島は赤道直下の島で常夏の場所というイメージがあるでしょう。
一年中暑くて、外に出たら直射日光でクラクラしてしまう、なんて思われいませんか?
常夏の島と言っても、一年の平均気温は低くて22度、高くても32度程度です。
意外と思われたかもしれませんが、日本の夏より涼しいんですよ。
しかも、一年間の温暖の差がそれほど大きくありません。
そのため、気温による体への負担が日本に比べずっと少ないのです。
生活費が安い
東南アジアの国々がそうであるように、バリ島も物価は安いです。
近年諸物価はグングン値上がりしています。
また、贅沢な暮らしをすれば生活費はかかってしまいます。
しかし、一般的な暮らしをするのなら、日本の1/3~1/2の生活費で暮らせます。
こちらの記事はバリ島での生活費をまとめたものです。
実際、バリ島の生活費がいくらかかるか、細かに記載しておりますので、ぜひご覧ください。
食事が日本人にあっている
バリ島は日本と同じ米食文化です。
ですので、食文化も日本に近いものがあります。
え?バリ島の食事は辛いんじゃないの?
確かに、バリ島の食事には辛いものが多いです。
しかし、サンバルというチリソースを外せばそれほど辛いといった事はありません。
また、辛くない食べ物も沢山あります。
そして、観光の島ですのでバリ島料理以外にもフレンチ、イタリアン、中華、和食と多くの料理が楽しめます。
食事のバラエティーが豊富で、食べなれたお米、和食がすぐに食べられるというのも、おすすめポイントですね。
バリ島民の人柄文化が日本人にあっている
基本的に、バリ島の方は穏やかで争いごとを好まず、仲間の和を大切にします。
そして、仏教にも通じるバリヒンドゥー教が文化の基盤となっています。
このように、人柄や文化に昔の日本に近いものを感じることができます。
人柄や文化が近いところに住むことは、ストレスフリーな生活が実現できるポイントです。
おすすめポイントのまとめ
気候や生活費、食生活、文化などバリ島での生活は日本人にかなりあっていると言えます。
「初めて来たのに、なぜか懐かしい場所」
と言われるように、昔の日本の生活に近いものを感じる方が多くいらっしゃいます。
これにより、ストレスフリーなのんびりした生活ができることが、バリ島移住の大きなおススメポイントとなります。
バリ島移住おススメできないポイント
バリ島移住はおススメできることばかりではありません。
おススメできないポイントもあります。
要点を言うと、ビザや医療、保健、仕事と言ったお金に関することにマイナスポイントが多いと感じます。
長期滞在ビザの取得が難しい
観光で30日以内の滞在は、ビザ取得は必要ありません。
また、60日以内の滞在も簡単な手続きをすれば、可能です。
このように短期の滞在についてはとても簡単にビザ取得ができます。
しかし、年単位での長期滞在の場合はそうはいきません。
55歳以上なら、リタイアメントビザを取得すれば長期滞在は可能です。
しかし、ビザ取得には一定額の預金や指定エリアでの住宅の借り入れ、スタッフの雇用などの条件が必要です。
もちろん、ビザを取得するには多額のお金が必要になります。
55歳以下の方が長期滞在するには就労ビザしかありません。
婚姻ビザというビザもありますが、それはインドネシア人との結婚が条件ですので、例外と考えます。
就労ビザを取るには、インドネシア籍の会社への入社が最低条件です。
会社に就職しない55歳以下の方は長期滞在ビザは取れないと言っても過言ではないでしょう。
このように、長期滞在をするにはビザが必要で、そのビザ取得には高いハードルと多額のお金が必要になります。
こちらに就労ビザの取得方法がまとめてありますので、興味のある方はぜひご覧ください
賃金は低く、起業も難しい
働きながらバリ島に移住することを考えたら、ビザの関係上どこかの会社に就職するか、自分で起業するしかありません。
若い方は就職を考えると思いますが、バリ島の賃金はジャカルタなどに比べたいへん低く設定されています。
日本人の最低賃金(一般的な実情)を見ると、ジャカルタはRp15,000,000程度に対しバリ島はRp6,000,000と半分以下です。
もちろん、仕事の内容や責任範囲などを考えたら、一概に比較はできませんが、ジャカルタなど大都市に比べバリ島の賃金が低いのは事実です。
また、その最低賃金で生活できるのか?という事ですが。
贅沢をしなければ生活は可能です。
ただし、医療費やお子様の教育費、日本への一時帰国費用などを考えると、大変厳しいと言えます。
では、就職ではなく自分で事業を始める、起業したらどうかというと、これも難しい点があります。
インドネシアでは、外国人の個人事業は認められておりません。
外国人が事業をするには、会社を作り法人で事業を勧めなくてはいけないのです。
ところが、インドネシアで外国人が会社を設立するには複雑な手続きと多額な資本金が必要です。
外国人が会社を作る場合、最低資本金は8千万円。
とても個人で準備できる費用ではありませんね。
会社設立の資本金などについてはこちらにまとめてありますので、ぜひご覧ください
医療レベルは低く、健康保険も満足できない
特にリタイアメントで移住されるシニア層にとって、医療環境は興味ある所だと思います。
バリ島の医療レベルは、日本に比べ低いと言わざるを得ないでしょう。
簡単な病気、怪我やバリ島で多い病気などに関しては不安はないと思います。
しかし、高度な治療や難しい手術などは、バリ島の医療レベルでは安心して任せることはできません。
そうなると、いざというときはシンガポールなどの近隣諸国や日本に行って治療を受けることになります。
その場合、問題となるのが治療費です。
BPJSという国民健康保険があり、外国人でも加入できます。
ただし、BPJSに加入できるのは、就労ビザを持つ外国人だけ。
一番医療が必要なリタイアメントビザの外国人はBPJSには加入できないのです。
その場合、民間の保険に加入するのですが、保険料は高額になり、年齢や持病によっては加入できないこともあります。
このBPJS関しての現状や問題点について以下の記事でまとめていますので、ご覧ください
インドネシアの国民保険BPJSは日本人にとって使える保険なのか?
また、バリ島にはいわゆる老人ホームや介護施設はありません。
シニア層でも元気なうちはいいのですが、寝たきりなど動けなくなった場合、介護してくれる方が必要となります。
資金に十分な余裕があれば現地の方を雇うことができますが、余裕がない場合はかなり問題となるでしょう。
おススメできないポイントのまとめ
おススメできないポイントをまとめると、ズバリお金に関することになります。
充分な資金があれば、事業を起こすこともできますし、生活も余裕ができ、高度な医療を受けることができます。
しかし、資金に余裕がない場合は、かなり厳しい移住生活となります。
「地獄の沙汰も金次第」と言いますが、快適なバリ島移住生活を送るには、十分な資金が必要という事になります。
バリ島移住おススメできるのか?その結論
バリ島移住のおススメできるポイントとできないポイントを挙げてきました。
各ポイントを一言でまとめると
- お金の心配をせず、のんびり暮らす方には良いところ
- お金を稼いだり、倹約生活を考える方にはちょっと難しいところ
と言えます。
つまり、バリ島は観光の島、遊びの島ですから、遊びながら暮らすお金に余裕がある外国人にはおススメできるという結論です。
ちょっと、厳しい結論となりましたが、ガッツリ稼ぎたい、少ない資金で暮らしたいと考えている方には、他の場所をお勧めしたいと思います。